以前スクールに来られたYさんが「膝すりのフォームで質問が有ります」という事で動画を送ってくれました。
練習の際に腰のオフセットを色々試していたところ転倒してしまったという事で悩んでいらっしゃるようです。
確かにスクールの時は腰のオフセット量が多いと指摘をさせて頂いたのですが(ZX-6Rでした)、すぐに練習するという行動力には感動しますね~ 😀
と言う訳で、送って頂いた動画を見ながら解説をし、ご本人の許可を得た上でyoutubeのバイクよかばいちゃんねるに上げましたので、あなたにも見て頂けると嬉しいです。
今回のブログを読むと
- 荷重の掛け方
- コーナリングでふらつかない方法とその理由
- 荷重を意識して練習すれば自然に膝すりが出来る
ということがご理解頂けると思います。
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荷重を意識せず膝擦りだけが目的になると重心が二つになる
「重心が二つになるとはどういう事?」
初心者の方にはこのような疑問があると思いますが、これは過去記事の「たったこれだけでニーグリップをマスターできる練習方法」でも取上げていますので一度ごらんになる事をお勧めいたします。
この時はブレーキングにおける重心の大切さを説明していますが、コーナリングの際にも重心の一体化は非常に重要事項となります。
簡単に言うと、ライディングは「バイクと一体になる」事が大切という事です。
ブレーキ時とは若干異なりますので、ここではニーグリップにプラスして、荷重の掛け方を意識する必要があります。
重心と荷重とは密接な関係があるのですよ!
コーナリング時の荷重の掛け方
一番簡単な方法は、ニーグリップをしながら、かつシートにドッシリ座る事です。
そして、その荷重をどこに向けて掛けていくのか?という意識が大切です。
これを間違って「膝を路面に近付ける事」だけを意識すると、重心が二つに分かれてしまい、掛けられる荷重も半減してしまう⇒コーナーでふらつきが起こる原因となってしまいます。
この辺は文字だと説明しにくいので動画を是非ご覧ください。(動画でも説明が下手で申し訳ないのですが・・汗)
ちなみに練習はZ125で、クローズドコースにて行われています。
コーナリングでふらつかない方法とその理由
コーナーでふらつく主な原因は、荷重の弱さでサスペンションの動きが大きくなってしまう事です。
このような不安定な状況では安心して体をバイクに預ける事が出来なくなり、
- 緊張で上半身に力が入ってしまう
- アクセルをギクシャクさせてしまう
- 更にバイクの動きが大きくなって安定しなくなる
という悪循環を発生させてしまいます。
自分の体重以上の重さを「荷重」としてバイクに掛けていくにはどうすれば良いのでしょうか?
それには遠心力を使うのです。
遠心力と荷重の掛け方も過去記事にて紹介しています
遠心力を味方に付け、サスペンションを上手く沈み込ませる事が出来れば、今までよりもバイクが安定するのでふらつきが少なくなります。
あなたがまだ初心者なのであれば、どうなれば「サスペンションが沈んでいる状態」なのかわからないと思いますが、あまり心配する必要はありません。コーナーを安定して曲がれた時があれば、その時こそが「サスが沈んで安定している時だ」と、簡単な法則の様に意識していれば良いと思います。慣れてくればその意味が段々と分かるようになりますので、難しく考えない事がある意味コツのようなものです。
それくらい気楽に考えてください。
荷重を意識して練習すれば自然に膝すりが出来る
コーナリングにおける初心者の方のお悩みといえば
- ふらつく
- 上手く曲がれない
- フォームは大丈夫だろうか
などでしょうか。
しかし、これらは全て重心や荷重を意識すれば解決できてしまうだけでなく、マスターさえしてしまえば膝すりまでもが自然と出来る様になります。
自然な膝すりが出来ていれば誰が見てもカッコいいフォームが出来上がっているはずです。
ここで、簡単に膝すりの条件を順に書出しますと
- タイヤをグリップさせる
- タイヤがグリップすれば安心してバンクさせる事が出来る
- バンク角が深くなればあとは膝を大きく開くだけ(プラス腰を少しイン側にずらす)
となります。
この順番が最も大切な事なのです。
逆に、順番を間違うと遠廻りする結果となります。
ちなみに、タイヤのグリップのさせ方は過去記事にて説明していますのでお暇な時にでもご覧ください。
Yさんのお悩みまとめ
さて、今回のYさんのお悩みは「フォーム」という事だったのですが、それに関しては私が指摘するまでも無く「完ぺき!」なフォームだと思います。
特に、キレイに膝を擦れている時は無駄な力みなど一切感じられず、
- 腰のオフセットもライダー&バイクなりに適度な位置に保たれている
- 外足ニーグリップもしっかりできている
- 荷重もしっかりとシートに掛けれている
- 目線も完璧
と、非の打ちどころがない程です 😀
スクールの時は腰のオフセット量が多めだった為、上半身で若干バイクにシガミツキ気味でしたが、わずかな期間で修正されるとは、ご本人の努力とセンスの賜物ですね。
お悩みにお答えします
もしあなたが何かバイクの事で悩んであるならばいつでも遠慮なくご相談ください。(但し初心者~中級程度のお悩みに限ります)
今回のYさんの様に動画を送るも良し(youtube等にアップされているならリンクをお送りください)
画像でも構いません。アマリングの時のZさんの様にツイッタ―などからの質問でも構いません。
出来るだけわかりやすいよう、記事にしてお答えします。(記事にしたくない方はその旨おっしゃってください)
なお、お答えは画像、動画を含め、クローズドコースでの練習に限定させて頂きます。峠など一般道での危険な走りをされてある方にはお答えできません。
安全にツーリングなどを楽しんでいるものはOK!ですよ 😀
基準がよくわからない・・というかた、とりあえず相談してみてくださいね。
こんにちは!
たまたまこのサイトを見つけて、内容が丁寧でわかりやすく、かつ面白いので全て拝見させていただきました。
今回お聞きしたいことがあり、コメントさせてください。
ライディングフォーム(姿勢)についてですが、1つはコーナリング時のステップへの足の置き方(イン&アウト)です。現状つま先を置いて、かかとの内側でプレートをホールド(アンクルグリップ?)するようにしていますが、なかなかしっくりきません。
もう1つは、背筋なのですが、雑誌などでは少し丸めた姿勢を推奨されますが、友人(和歌山利宏さんの理論)からは、骨盤前傾で背筋を伸ばす方がよいと言われますが、実践しても上手く自分で消化できないです。
どちらも人の体格によってそれぞれと言われればそれまでなのですが、何かアドバイスいただけたら嬉しいです。
ちなみに自分の情報は、173cm-75kg,ミドルSS,公道8割・サーキット2割です。
長々とすいません、よろしくお願いします!
たれぱんさん>
コメント有難うございます!また、全部読んで頂けたとの事で嬉しいです!
①ステップについて
体格や車両によって感じ方は様々です。ステップとタンク(ニーグリップする場所)の距離感がたれぱんさんに合っていないのかもしれません。アウト・イン、それぞれ私の場合で説明しますと、アウト側=つま先ステップ・かかとホールド(してるけど強くは意識していない)・内腿ニーグリップ。イン側=つま先ステップ・かかとはフリー(どこにも接触していない)・膝はフリー。腰をずらす量などフォームでも変わりますが、イン側の踵ではホールドを全く意識しません。なぜなら、踵でホールドしてしまうとステップ荷重が上手く出来ないからです。
②背筋について
ステップ(つま先立ち)で動きやすさを確保するスポーツの殆どが軽い前傾姿勢で丸くなっているイメージは次のブログでも書いています。https://motercycletutor.com/riding-sport
対して、重量挙げなど腰を固定し力を入れやすくするスポーツでは骨盤を前傾させ背筋を伸ばす方が推奨されます。
どちらも否定されるモノでもないし、人によって力が入る姿勢はそれぞれですので、たれぱんさんが一番楽に動けるフォームが正解となります。
ステップにせよフォームにせよ、たれぱんさんが何を目的にするかでも変わるでしょうね。例えば(これも私の例ですが)、ツーリング時など長距離走行の際は骨盤を少し前傾させ、腰回りの筋肉を休めさせて腰痛を防いでいますし、サーキットを攻める際はステップワークを最大限使える様に少々背中が丸くなっています(腰は少々痛くなります、、、泣)。
これは車種やポジションでも変わって来ますので、自分が一番楽に、その時の目的を果たせるよう力の入れ方・乗り方・バイクの攻略の仕方を臨機応変に変化させています。
今回のご質問と同様に、乗り方、操作の仕方などは本当に様々な説が有りますが、そのどれもがあくまでもそれを語る人にとっての正解であり、必ずしも自分にあてはまる訳では無いという事を理解しておく必要があります。
また、人の説明というのは感覚に頼る部分が多くを占めますし、伝え方受け止め方も其々ですので、本当に難しい所です。
伝言ゲームの様に答えが一つしかないような簡単なものではありません(^^;)。
このブログの1記事目にも書いていますが、私の言う事が必ずしも正解ではありませんので、先ずは試し、自分に合うと思ったら取り入れる、合わない(しっくりこない)と思ったらその情報を捨てるべきです。
ですので、色んな人や情報源から仕入れる事は良い事ですが、最終的な取捨選択決定は先ずはたれぱんさんの感性に素直に従った方が良いですよ。
その次に、特にサーキットを走る時は、タイムと照らし合わせて、しっくりこないがタイムは出るという時とその逆の現象が起きる時が有りますので、どちらを取るかは総合的な判断をします。
バイクは個性が強く出る乗り物です。まさに「たかがバイク、されどバイク」ですね。
ちなみに、164cmちびデブ短足残念体形の私は、雑誌やネットの情報が当てはまる事は少ないです笑・・・・・・泣
今回のご質問は他のライダーも同じ悩みを抱えている部分でもありますので、機会があれば記事にしてみますね。
また何かあればいつでもコメントください。有難うございました!
山口先生(記事のどこかで家庭教師と書いてあったと思うので、こう呼ばせていただきます)>
アドバイスありがとうございます!
教えていただいたこと、実践してみて自分なりに取り入れることができるか練習してみます。
ただ、アドバイスいただいた言葉の中で、”ステップ荷重”という言葉はどういう動きを言うのかすぐわかりませんでした。
また過去記事を読み返して、■ニーグリップをマスターしたらわかる3つの事、に記載されていることを言われているんだなと改めて気づきました。
雑誌等でのライテクでは、ステップに荷重をかけると作用・反作用でバンクする動きを妨げると言われるので、荷重をかけるのはあまり良くないのかと漠然と思っていましたが、いろいろ試してみないと何が自分に適しているかわからないですね。
また、”ステップ荷重”しかり、”アンダーステア”等々よく耳にするライディング用語的なものを何を指すのか勉強していきたいと思いました。こういうことをプチネタとして記事のテーマで扱っていただけたら、個人的にありがたいなと思います。
また質問させていただくこともあるかと思いますが、その時はよろしくお願いします!ありがとうございました。
たれぱんさん>
コメント有難うございます(^^)
お役に立てたようで良かったです。
頂いたご意見を基に、もっとわかりやすい記事が書けるよう頑張りますね。
またいつでもご質問ください。
有難うございました!