タイヤのアマリングの消し方【バンク角ではなくタイヤを潰すとは??】

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嬉しい事に、最近始めたツイッターのDMから以下のようなご質問を頂きました。

アマリング削る(消す)のはバンク角じゃなくて、タイヤを潰して走るみたいなこと聞いたのですが、どういう事なのでしょうか?

Zさん、ご質問ありがとうございました! 😀 

 

さて、アマリングとはタイヤの端っこのほうまで使わなかったときに残っている部分の事をさすようですね。(実は初めて聞いた言葉だったので速攻でググりました笑)  Zさんに限らず、アマリングの事も最近よく聞く「タイヤを潰す」という事も気になってる方が多いかと思いますので、今回は

  • アマリングの消し(削り)方
  • タイヤを潰すにはどうすれば良いのか?

について考えてみます。

 

アマリングを消す為にはどのような走りが必要なのか

まず最初に、アマリングを消す為にどのような走りが必要かと言う事ですが、それは当然タイヤを端まで使うという事になります。(当たり前の話ですよね)

勿論それ相当のバンク角も当然必要です。しかしながら、もしもあなたがその目的を果たす為に、単にタイヤの形に合わせたバンク角だけでタイヤを端まで使おうと考えているのであればそれは大変危険な事だと言わざるを得ません。なぜなら、バイクをバンクさせる為にはタイヤをしっかりとグリップさせるという事が絶対条件であるからです。タイヤをしっかりグリップさせる為には何が必要になるかというと、それは所謂「タイヤを潰す」というような走り方という事になります。

ではなぜタイヤを押し潰す事によってグリップ力を得る事が出来るのでしょうか?

 

グリップ力はタイヤを潰す事で得られる

タイヤを潰すという事は、=タイヤを路面に押し付けるという事です。タイヤを路面に押し付ける事により得られるメリットは主に以下の2点になります。

  1. 押し付ける力に比例してグリップ力が上がる
  2. 押し潰されることで接地面積が広くなる

どういうことか詳しく見ていきましょう

 

 1、押し付ける力に比例してグリップ力が上がる

タイヤはゴムで出来ていますので、単純に強く押し付ける事でグリップ力が高くなります。 例えば、消しゴムを使う時、

  • 弱い力で押す=滑りやすく消えにくい=グリップ力が低い
  • 強い力で押す=滑りにくく良く消える=グリップ力が高い

という事と同じ原理です。

 

 2、押し潰される事で接地面積が広くなる

上記の説明でわかる通り、タイヤのグリップ力とは路面に対するゴムの粘着力(摩擦)によって得られています。よくある勘違いでタイヤは溝が沢山ある方が喰いつくと思われがちですが、それは雨や雪など排水が必要な状況に限った話であり、ドライ路面においては粘着面積が広い方が良く喰いつくのです。これはマジックテープや両面テープ等で考えると、接着面積が狭いのと広いのとではどちらが粘着力が強いかが理解できると思います。レーシング(スリック)タイヤにはなぜ溝が無いか?という事もこれで腑に落ちて頂けるかと思います。

粘着力自体はコンパウンドの種類によって様々ですが、とどのつまりタイヤは「粘着力+面積の広さ」でグリップ力を引き上げているという考え方になります。

 

このようにあなた自身がタイヤ本来のグリップ力を引き出す事が出来れば、今よりももっと安心してバイクをバンクさせる事が出来るようになるでしょう。

この他にも、接地面積が広くなることでタイヤ自体に掛かる負荷を分散する事が出来ますので、タイヤの摩耗を抑える事が出来るようになりライフが長持ちするというメリットも有ります。

 

※とはいえラジアルタイヤとバイアスタイヤでは考え方(構造)が違いますし、潰れ方が大きければ良いという訳でもありませんので、あなたのタイヤがどの状況が最善なのかを把握しておく必要があります。また、タイヤのグリップ力と潰れ方が旋回力に良い方向に影響するかどうかは別問題です

 

タイヤを潰す走りとはどうすれば良いのか?

突き詰めていくと100点満点の正解など無いような、プロレーサーですら悩んでしまう程の技術でもある為、ここでは初心者の方でもわかりやすいよう端折ってはしょって書きます。

今回のテーマはアマリングの消し方ですので、前述した遠心力の利用の仕方について見ていきますが、実は遠心力をタイヤに伝えるやり方は過去記事に書いていますので一度ご覧頂きたいと思います。

コーナリングでふらつかない方法

この記事に書いてある通り、コーナーでタイヤを潰すキモは遠心力です。

バイクとあなた自身にもたらされる遠心力を、シート⇒サスペンション⇒タイヤという流れで荷重が掛かるように意識する事が大事です。

ただ単にバイクを寝かするのではなく、ニーグリップを使ってバイクと一体になり(バイクと自身の重心を一つにする)、その重さをタイヤに乗せて押し潰すイメージです。

リンク先の過去記事は初心者向けに基本的な事を中心に書いていますが、つまりはタイヤを潰す走りとは「基本の応用に過ぎない」という事なのです。

このブログは、古い記事から順番に読む事で段階的にステップアップ出来る様に構成されていますので、初めてお越しいただいた方は順番に目を通して頂けると幸いです。

参考までに前後タイヤの荷重の掛け方を書いておきますが、前後の荷重を掛ける際のキモは遠心力+慣性になります。フロントタイヤに荷重を掛けたい時はフロントブレーキを使ってフロントサスペンションを沈めて荷重を乗せる⇒そのままブレーキをリリースしながらバンクさせフロントタイヤのサイドに荷重を掛ける(やり過ぎると握りゴケするのでリリースとバンク角のバランスが大切)。リヤタイヤに荷重を掛けたい時は、アクセルを少しずつ開けながらシートにしっかりと自身の体重を載せリヤサスペンションをお尻で沈めるイメージを持ちながらリヤタイヤのサイド側に荷重を掛ける、ということです。縦方向に働く慣性と横方向に働く遠心力をスムーズに繋げてあげる事が大切です。そしてこれはあくまで私のやり方です。これを参考にしながらあなた自身で試してみて、上手く自分に合うようにアレンジしながら取り入れてみてください。合わないと思ったら次の情報に移るという選択肢も忘れてはいけませんよ。

 

タイヤを潰す、アマリングを消すために必要なメンテナンス

タイヤを潰す、アマリングを消す為に必要なメンテナンスと言えば、

  • タイヤの空気圧管理
  • トレッドの残量管理

です。

タイヤの空気圧管理

一般的にメーカー指定の空気圧は「二人乗りで高速道路を走っても問題ない」という前提で指定されているようです。これだとアマリングを消すためにタイヤを潰したいという状況であれば、ハッキリ言って空気圧が高過ぎます。

目安としては、どんなバイクでも冷感で2.0kPa前後で良いのではないでしょうか?

もちろんこれはあくまで目安です。タイヤのグリップ力、ラジアルタイヤ、バイアスタイヤ、一人乗り二人乗り、サスペンション他の改造、路面状況、道路状況、ライダーの体重、走り方、季節、路面温度、走行距離など様々な条件で変わりますのでマメにチェックを行い状況に応じて臨機応変な対応をお願いします。よく判らない人は購入したお店などに相談されて下さい。相談先が無い時は私に問い合わせてください。

トレッドの残量管理

一般公道用のタイヤは、溝の残量でトレッドが使用範囲内かどうかを管理しますが、当然まだ十分に使えるほど溝が残っているというのは大前提であり、スリップサインが近付いているようであれば無理は禁物です。車検には通るかもしれませんが、本来の性能を100%発揮できるとは考えにくいからです。また、古くなったタイヤなどサイド部分がひび割れたりトレッド自体が硬化している時が有りますので、走行前には必ずチェックするよう心掛けてください。

 

アマリングは残るように作られている!?

以下の画像はサーキットを走るプロレーサーのリヤタイヤです(スリックタイヤでは無い市販されている公道走行可能なタイヤです)。大小有れど全員のタイヤが潰れているのがお判り頂けるかと思います。

九州ライダーマガジン月刊withBIKE

 出典:九州ライダーマガジン月刊withBIKE

コーナリングの際、バイクは遠心力によって外方向に引っ張られるのは前述の通りですが、その引っ張られる力を一身に受けているのが前後二本のタイヤの、僅かハガキ1枚分ともいわれる小さな接地面です。

当然ゴムで出来ているタイヤは、レースやサーキット走行の様な強い負荷がかかる状況下では画像の様に目で見てハッキリわかるほど変形してしまうのですが、それでもタイヤは限界が近付いた際でもグリップ力をギリギリまで確保出来るよう設計段階で計算して作られています。

という事は、公道を法定速度内で走る際にはここまでタイヤに負荷が掛かる事はあまり無いと言う風に考えられます。

何が言いたいのですか?

というと、公道を普通に走る状況であれば、どちらかと言うとアマリングは残っている方が正解ですよね?

「サイドまで使えていないからまだまだです」と謙遜される方もいらっしゃいますが、そんなことはありません!しっかりと安全運転に拘っていると自信を持って頂きたいです。

結論を言いますと、タイヤサイドが全て使えずに残っていても、あまりアマリングのことは気にせず(シャレではありません 😳 )タイヤを潰してグリップ力を高めるよう意識して安全にコーナリングをされると良いと思います。

安全運転が一番ですね

 

   
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コメント

  1. 篠崎 寛宣 より:

    私は公道では怖くて膝を擦れませんし、タイヤは端まで使えません。

    が、安全マージンを確保した上で膝擦る遊びをする人も、タイヤを端っこまで使いきる人もいるはずです。

    「公道で膝を擦るなんて、もってのほか!」
    とか、
    「タイヤの端まで使うなんて、どんな運転してんだ!!」
    とか、よく耳にしますが、バイクの悪いところだけを吊し上げる風潮は嫌いです。

    人間だからスピード違反も犯すさ。
    道が混んでたスピード出さないって。
    見通しの良いワインディングではロッシの真似もするさ。

    左右確認せずに車線変更するおばさんシエンタよりも、スピードは出してるけど安全な所で抜き去るレーサレプリカの方が安全でしょ?

    ましてやバイクで抜く時に手を上げて挨拶すれば、相手も
    「おー、気を付けてな✋」って気持ちになるものです。

    アマリング?公道で無くせるくらいエネルギーが有る若手が居るから経済が成り立つのです。

    昼のワイドショー見て文句ばかり言ってるおばさんよりも社会的に必要な人材です。

    話がそれましたが、若いなら、若いなりに、エネルギーが欲するままにやっちゃいなよ。
    と言いたいです。

    そしたら、多分、タイヤが良い感じにつぶれてるのかと。

    1. 山口尚之 より:

      篠崎さん、コメントありがとうございます(^^)
      ごもっともな意見ですね。
      時代の激しい変化で様々な事が変わりつつあり、中でも(バイクに限らず)寛容を忘れたバッシング等の負の勢力が持つパワーは異常なまでに強く、生き難い世の中になったなと私も感じています。
      そんな中では自分を信じて生きていく、他に流されない事が大事かと、私なりに理解しようと努めています。
      バイクは自己責任において個人が自由に楽しむものですが、同時に危険が伴うという事を重々承知していないと自分も痛い目に遭うし周りにも迷惑を掛けてしまいます。ルールとマナー、社会の一員としての思いやりが大切ですよね。
      若者の可能性を伸ばすためにも「エネルギーが欲するままにやっちゃいなよ、サーキットで」と私も言いたいです(^^)
      そして模範的ライダーでもある篠崎さんの様に、是非と道理の分別わきまえれる大人を目指してほしいです。
      社会全体がそうなる事が理想ですけどね。
      貴重なご意見有難うございました!

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