ウェット~ハーフウェットコンディションでも転倒者ゼロだった全日本ロードレース

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11年ぶりのカワサキ優勝!

そしてチームグリーン初のワンツーフィニッシュに

カワサキファンが興奮と歓喜して終わった

全日本ロードレース第3戦のオートポリスラウンドでしたが、

私もエキジビジョンに出場の為に現場にいましたので

当日を振り返りつつ私なりに雨の日ライディングを再考察していきたいと思います。

転倒者がゼロだった

ヤフーニュースでも取上げられるなど

近年まれに見る程面白かった全日本ロードレース。

カワサキの大逆転で終わったこのレースでしたが

私が大変興味深かったのは

ウェット~ハーフウェットという最も難しいコンディションにもかかわらず

転倒者がゼロと言う素晴らしいレースとなった事でした。

 

ぶっつけ本番でも冷静なトップライダー達

決勝レースの難しさもさることながら

ウイーク中は日曜日以外は快晴であり

彼らが雨のセッティングを試せたのは、決勝前の

僅か10分ほどのフリー走行だけでした。

わずかな時間で決勝に向けてのセッティングと

ドライorウェットどちらのタイヤで行くのか判断を迫られ

そのまま1台の転倒者も出すことも無く、フリー走行、

そして決勝レースまでを終えています。

一番の要因は、言うまでも無く彼らの日本一を争う

ライディングテクニックにありますが

それ以上に、彼らはレースという極限状況の中でも

その時の最適なセッティングを見つけ出し

逐一変わる路面状況とタイヤの消耗を判断し

周りの状況に我を失うことなく、常に冷静な判断をし続けたことにあります。

技術面の高さも重要ですが、初心者を含む我々一般ライダーが見習うべきは

この冷静な判断力なのです。

それでも何らかの突発的不幸な事故に遭う可能性はゼロにはなりませんが

各々に突きつけられる悪条件に向き合い

その時その時のバイクから送られてくる小さな情報をキャッチし続け

決して無理をせずに安全マージンを取りながら

一つでも上のポジションで完走を目指す彼らのマインドを学ぶことで

トラブルの確率を小さくすることは十分に可能なのです。

 

トップレーサーの雨の日ライディング

結果的にはドライ(スリック)タイヤを選択した選手に分があった今回のレースでしたが

では、レインタイヤを選択した選手はどういう状況だったのでしょうか?

以下の画像は決勝後のリヤタイヤです。

指で触れば「グニャリ」と潰れてしまう程柔らかいコンパウンドです。

1000ccのハイパワーを掛けられたレインタイヤは

このようにほとんど溝が無くなってしまいますし

この状態で不用意にアクセルを開けるとグリップしてくれなくなることは

画像を見れば想像に難くないでしょう。

そんな状況ですから、路面が濡れていたレース前半から

ほとんどがドライ路面に変化した後半まで

我慢のレースを強いられていたことは間違いありません。

アクセルの開け方、荷重の掛け方、ラインの選び方

トラクションコントロールのセッティング

様々な要因を逐一判断しながら、

決して自分のコントロールの範囲内を超えないギリギリのところで

バイクとレースをコントロールしていたのです。

トラブルを引き起こさない為の高い操作技術に加え

冷静で強靭な精神力の賜物といえます。

 

大切なのは技術の前に状況判断

もう一度基本的な技術をおさらいしておきます。

雨の日ライディングで絶対にやってはいけない3つの事

コツなどはこちら

雨の日や濡れた路面を走る時のコツなど

このように、事前に出来る練習はやっておくべきですが

もっとも重要なあなたを救ってくれるテクニックは

自分のコントロールできない状況を作り出さない

冷静な判断力です。

この判断力というのも、経験の上で少しずつ積み上げていく技術の一つになりますので

常に安全マージンを取りながら、階段を登るように一段一段上達をめざしましょう。

大丈夫です。

無理なく(色んな意味で)積み重ねれば必ずあなたは上手くなります。

自分を信じて、頭で考えたことを自分なりにアウトプット(練習)していきましょう。

初心者のバイク練習は インプット2 アウトプット8

 

タイヤについて

 出典:https://www.facebook.com/withbike/

予定されていたエキジビジョンレースですが

コンディション不良の為2周のパレード走行に変更されました。

事前に雨予報が出ていたため、先頭を走るカワサキの柳川さんのバイクには

やはり雨に強いタイヤが装着されていました。


BRIDGESTONE ブリヂストン/BATTLAX HYPER SPORT S20EVO【120/70ZR17 M/C(58W)】 バトラックス ハイパースポーツ タイヤ
BRIDGESTONE ブリヂストン/BATTLAX HYPER SPORT S20EVO【120/70ZR17 M/C(58W)】 バトラックス ハイパースポーツ タイヤ 1098

エキジビジョンとはいえ、負けるわけにはいかないという判断だったのでしょう(^^;)

ちなみにBEET製マフラーとバックステップまで装着されておりました。

どんな時も全力全開の柳川さんらしいご判断です。

その後ろを走るオレンジのninja400(手を挙げている)私は

新車時から装着されているダンロップのGPR300 でした。

初めてこのタイヤで雨のオートポリスを走りましたが

このタイヤも良いですね~。

下りのブレーキングからコーナリングまで安心して走る事が出来ましたよ(^^)


DUNLOP ダンロップ/SPORTMAX α-14 H 【140/70R17M/C 66H TL】 スポーツマックス アルファ14 タイヤ
DUNLOP ダンロップ/SPORTMAX α-14 H 【140/70R17M/C 66H TL】 スポーツマックス アルファ14 タイヤ CALIFORNIA1100

 

思い出フォトグラフ

無事完走を果たした阪神ライディングスクールの清末直樹選手

18歳の最年少ライダーです。お疲れ様でした!

 

ワンツーフィニッシュ後のチームグリーントークショウ

チークグリーン関係者の皆さん、カワサキファンの皆さん

おめでとうございました!(^^)

 

まとめ

雲の上の存在に見えるトップレーサー達でも

このように少し視点を変えてみると

大変参考になる事がお判り頂けたかと思います。

バイクレースというのは、「究極の安全運転」で

ライバルより前でゴールする事を競い合う競技です。

彼らの技術に追いつくには時間が掛かりますが

「究極の安全運転マインド」に追いつくのはあなた次第でどうにでもなります。

9月にもう一度オートポリスで全日本レースが開催されますので

レースの迫力を堪能しつつ、別目線で楽しんでみてはいかがでしょうか?

見るだけでも、あなたのライディングに良い影響を与えてくれると思いますよ(^^)

 

   

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