少しずつ暖かくなってきましたね。
そろそろ練習を・・・と思っている方もいらっしゃると思うので、過去記事と重複するかもしれませんが、ここで今一度初心者やリターンライダーの方に最初に身に付けてほしい技術を振り返りたいと思います。
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絶対にブレーキングをマスターする
コレが出来なきゃ走ってはいけません! というくらい大事だと思っています。
基本技術的な事は過去記事に乗っているので参考にして頂きたいのですが、今回はそれ以外に大事な心構えと練習方法を何点か書出します。
スピードを出さない
勿論ある程度は出すのでしょうが、心構えとして「いきなり自分の限界を超えたスピードに挑戦しない」という事です。
排気量の大きなバイクは、軽く一捻りするだけであっという間にスピードが出てしまいますが、怖いのは加速やスピードには目がドンドン慣れて行ってしまうという事です。 「目が慣れる=恐怖心が薄れる」事は、決して悪い事ではありませんが、初めて体験するスピードと共に、そのスピードでのブレーキングを事前に確認してください。これまで使った事の無い回転数からのエンジンブレーキ、これまで経験の無いスピードからの制動慣性(縦G)、ブレーキング(エンジンブレーキ含む)のショックや体への負担などを確認しておくと良いでしょう。又、小排気量バイクでは加速の恐怖心が薄れるので、アクセルを開け続けていると知らない間に未知のスピード領域に入っている事も忘れてはなりません。
急には対応できません
何でもスグに出来てしまう天才的な人は別ですが、普通の人は対応できません。出来なくても当たり前なので安心して下さい。
練習を何度も重ねていると、段々加速やスピードに目が慣れてきますが、最初のうちは「あっ、スピードがいつもより出ているな」と思ったら(又はスピードメーターで確認したら)、とりあえず一度アクセルを戻してエンジンブレーキの効き方を体感し、体に覚えさせてください。
次にブレーキを掛けるのですが、スピードが出てしまうとついつい強くブレーキレバーを握りしめたくなってしまいますが、これが一番危険な事です。これをいきなり公道での本番?(例えばツーリングなど)で試そうと思っても、止まらない恐怖感と縦Gやショックによる姿勢の崩れ、迫りくるコーナーへの恐怖感から起こるパニックに陥る場合があります。
ブレーキを安全に掛ける練習方法 【エンジンブレーキ】
過去記事では時速30km/h程度のスピードで練習しましたが、速度が高くなるにつれてエンジンブレーキと言う性能も取り入れてみましょう。エンジンブレーキのかかり方は車種や回転数によってちがいますので、まず出来るだけ低いギヤを使って①アクセルを開ける、②戻す、を何度も繰り返します。繰り返しながら少しずつ回転数を上げていき、加速とエンジンブレーキの変化を少しずつ体に覚えさせます。回転数が高くなると当然エンジンブレーキも強く効いてきますので、同時に姿勢が崩れないようにニーグリップや体の使い方を覚える。
細かい事を言うと
- フロントフォークの沈み方に合わせた腕の使い方
- 縦Gに対する腕への負担を如何に減らすか
- アクセルをキッチリと戻す練習
- 体のどの部分を使ってニーグリップするか
- 上半身が前に飛び出しそうになるのを如何にして踏ん張れるか
などを確認します。最初にブレーキではなくエンジンブレーキだけで練習する事でフロントタイヤのロックや難しいコントロール、大きな衝撃無く練習する事が出来ます。慣れて来たら一段ずつギヤを上げ、スピードも少しずつ上げて慣れてください。
ブレーキを安全に掛ける練習方法 【フロントブレーキ】
逆の発想のように感じる方もいると思いますが、エンジンブレーキに補助的にフロントブレーキを使ってゆっくりと止まる事から始めてください。「ゆっくりと」とは、過去記事で説明した
こんなイメージです。
エンジンブレーキの練習で体の使い方までキチンと覚える事が出来たのならば、あとは徐々にブレーキを強めていって、制動距離を無理なく縮める練習をするだけです。
この順番でやれば思っているよりも無理なく身に付ける事が出来ると思います。いきなりフロントブレーキの練習から始めてしまうと恐怖心が勝ってしまいますし、スピードが高くなっている分フロントフォークの沈み方も強烈で、尚且つ急に「ギュッ」と掛けてしまうと、車体の急な沈み込みで目線が思い切りブレテしまいます(これは慣れていないと本当に怖い)。体(腕の)使い方をマスターしていれば、沈み込みの衝撃を腕でかわす事が出来ますので、そういった意味でも徐々にこの順番で慣れていかれる事をお勧めいたします。
マスターするのは技術だけではダメ!
技術的には成長出来たとしても、大切なのはその技術をいかんなく発揮する事、そしてバイクに必要なのは反射的に対応する事です。
しかし、対応できない状況やスピードになってしまってはその技術を発揮する以前の問題になってしまいます。これは絶対に避けなければいけません。
ではどうすれば良いか?それはまず第一にスピードを出し過ぎない事。危険な状況を作り出さない事です。つまり状況変化に常に対応できる速度、安全な領域を維持するという強い意思と心構えが必要です。
事前の練習で反射的に対応できるまで技術を向上させ、安全領域で走る心構えがあれば、心にも余裕を持ってバイクを楽しめる事が出来ると思います。
まだバイクに慣れていない初心者の方は、
- スピードを出し過ぎない
- 自分のコントロールできる範囲で走る
- 人よりも早めにアクセルを戻す
- 人よりも長い距離を使って速度を落とす
- 余裕を持って自分以外に周りの状況にも意識を向けて走る
と良いでしょう。
最初からいきなり上手くなることはありませんが大丈夫です。
自分を信じて焦らずマイペースで練習を続ければ必ず上達します。(^^)