逆操舵(逆ハンドル)を倒しこみのきっかけとして採用するか否か?

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ひとことで言うと

「初心者は止めときなさい」です。

なぜなら、このテクニックを使用するには、その後に起こる急激なバンキングに対するバンク角のコントロールその他が必須になるからです。

とはいえ、無意識にそうしているライダーも多いですし、直進しているバイクを寝かすには逆操舵を充てる方が理に適っています。

ではなぜ「やめとけ」なんでしょうか?

 

逆操舵(逆ハンドル)とは?

例えば左に曲がる際に、右にハンドルを切ってバイクを倒す事。

難しく考えなくてもいいです。ここでは逆操舵(ハンドル)を行うとそうなるのかと言う理解で十分です。

バイク自体は、フロントタイヤのジャイロ効果やバンク角にあわせて順操舵方向にハンドルが切れるセルフステア効果でバランスを取り安定性を保とうとするが、この逆を意図的に行う事でバランスを崩してバイクを倒れやすくするという事が逆操舵の意味です。

 ジャイロ効果wiki (重要ではありませんので知りたい人だけクリック)

 

逆操舵は高等テクニック

いいですか?あなたが初心者であるという自覚があるならばもう一度よく読んでみてください。

「バランスを崩してバイクを倒れやすくする」というところがキモです。

私はこんな恐ろしい事を初心者の方にはお勧めできません。

実際のスクールでも「やった方が良いのでしょうか?」という質問をよく受けますが、正直に言うと、私自身一度もこの逆操舵を意識したことが無く、昔試しにやってみたところ、あまりにクイックにバイクがバンクし軽くパニックになってしまったことも有り、このテクニックを使うには

  • 一瞬でバイクを寝かす時以外必要ない
  • 本当に一瞬でバイクが寝るので体の準備が万全でないとバイクに付いていけない
  • 逆操舵で寝たバイクは次に順操舵に切り替わろうとするのでフロントタイヤのグリップが抜ける
  • 寝たバイクのバンク角と適正な荷重をコントロールしないと、バイクが寝るだけで上手い旋回に繋ぎきれない

という結論に至り、バイク初心者の方には安易にお勧めしていません。

というか無暗やたらにやるもんではありません。本当に怖い事になりますから。

 

逆操舵はどんな時に使うのか

前項に上げたポイントを活かし、タイムを詰めていく様なレースやジムカーナ競技などの場面ではかなり有効なテクニックとなります(転んでもしょうがないと受け入れている人たちですね)。又、上手に素早くという意味で白バイの方も積極的に取り入れられているようです。勿論ベテランのライダーになり、更なるスキルアップを目指す方なども基本の次のテクニックとして取り入れている人も多ですね。

 

その前に必要な大切な事

これまで一貫してビギナーライダーの方には「恐怖心が先に来ないように、ふらつかずバランスを取る基本的な乗り方」に着目して色んな事をお伝えしてきました。

ですので、今回「初心者はやめておいた方が良い」というのはその延長線上にある結論であり、決して逆操舵を否定しているわけではありません。私自身も意識していないだけで、実際のレース中には切り替えしの時など使っている可能性は十分にあります。

つまり、私の中では逆操舵は無意識に行うモノであり、それ以前にフロントタイヤをしっかりグリップさせてスムーズな旋回に繋げる事が一番大切で、進入時に「急激な倒し込みを行う事」は全く持って重要視しておりません。

(レースで究極にメリハリをつけたい時などはまた別の話になってしまいます)

 

一度試すのは勿論ありです

いずれにせよ、ハンドル操作を自在に行うにはハンドルから力が抜けている事が前提であり、力を抜くためにはやはりニーグリップを無意識にできるまでマスターしていないといけません。

基礎を練習している途中で、逆操舵の様な高等テクニックを取り入れてしまうと、せっかく覚えた基本操作が阻害され、場合によっては上達の遠回りに繋がってしまう恐れがあります。

もちろん余裕が出て来たら少し上のテクニックを上手に取り入れてみてください。今回の話で言えば、大きく長いコーナーなどでほんの少しだけゆっくりイン側のハンドルを押す、と言うような感じです。そこでバイクがどのような動きをするか、まず感じ取ってください。大型排気量や車種によっては(バンクしやすいという意味で)優位に働くと思います。

ただし一定速度での巡航時や登りのコーナー等アクセルを戻さずにバイクを寝かしたい時などは逆操舵の方がバンクさせるのは楽かもしれませんが、ハンドルが反対を向きっ放しになればバンクはするけど曲がらないと言う現象が起こります。この現象を感じてあなたがどう考えるかということになりますが、実際に試したうえで自分に合いそうならば取り入れる。合わないと思ったら後回しにするか取り入れない、といい選択をすれば大丈夫です。

 

まとめ

今回は少し手厳しい意見だと捉われかねないと思いましたが、あなたの上達を応援しているからこそこのような事を書かせて頂きました。

安全第一で、ステップバイステップで練習することがストレスなく上達できる近道なのです。

   
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