【画像解説】初心者がいきなり上達するテクニック 目線編

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どこ見てんのよ~!(古い・・・^^;

バイクに乗る時に大変重要なテクニックとして"目線"があげられます。実は意外にもこのテクニックは初心者だけではなく、中級上級者でも気づいていない事が多いのです。

 

 

目線による反射運動を利用する

バイクでも自転車でも車でも実験したことがあるのですが、乗り物と言うのは自分の目線通りに進んでしまう(操作してしまう)という傾向が有ります。簡単に言うと人間は視覚情報を受けた脳が自然に反射運動として伝達することに起因するようです。 別にむずかしく考える事は一つも無く、単純に人間が持つこの「反射」をライディングに応用してあげれば良い事なんです。

 

目線の例 1

これはスパ直入のブラインドコーナーです。右に大きく旋回しているコーナーですので目線を先に先に送ってあげる必要があります。二人のライダーを比べてみると、左側のライダーは大きく右を向き、尚且つ遠くを見ているのがわかると思います。(勿論コーナーのRの大きさだけでなく、その時のスピードによっても目線の送り方は変わってきます)

 

目線の例 2

これはヘアピンコーナーです。目線の違いは次のようなイメージになります。

バイク(タイヤ)の進行方向ばかり見てしまうと結果的にコースの外側を見てしまう事になり、尚且つとても近いところを見てしまう傾向にあります。これでは視界が広くなるまでは恐々としかアクセルを開ける事が出来ず、曲がる事よりもスピードやバンク角、コースアウト等のトラブルに対する恐怖心の方が優先されてしまいます。一方、大きく視線をイン側(バイクの進行方向ではなく自分が行きたい方向)に向ける事によってどこに向かって走ればよいかが早い時点で視覚情報としてはいってくることで、人間が自然に持つ"反射"の作用を上手く利用して走る事が出来ます。サーキット走行で言うならば、自分で決めた立ち上がりポイントを早く見定めそこに向かってただアクセルを開けていくだけです。また、広い視界を確保する事で心の余裕も大きく違ってきます。

 

視界は広い方が良い

夜間走行時のヘッドライトで例えるならロービームとハイビームではどちらが走りやすいでしょうか?私はハイビームの方が圧倒的に走りやすいです。ライトがより広く、より遠くを明るく照らしてくれると沢山の情報が早く入ってきますので危険回避にもつながりますよね。バイクの走行時でも視界を広くとる事はこれと同じことを意味します。

 

信じるか信じないかは貴方しだい? (これもフルイ・・・^^;)

細かい事は抜きにして「僕に騙されたと思って、首をおもいきり90度に捻ってイン側&遠くを向いて曲がってください」とよくご指導?させて頂くのですが、これがかなり効果てきめんで、それまでバンクさせること自体苦手だったりコーナーのイン側にバイクを寄せる事が出来なかった人が、いきなりイン側のゼブラゾーンに乗り上げてしまうほど急激に旋回力が高くなることがよくあります。 "首を思い切り90度に"というのはあくまでも目線による旋回力の違いを見てもらう為に行う事であり、当然イン側にはみ出したりするのは危ないので目線の送り方も同時にご指導させて頂いておりますが、一度試された方からは「これだけでかなり曲がりやすくなりました!」 「ギュッ!と曲がるようになりタイムが●●秒上がりました!」などのご意見を頂けています。最初は少し怖いかもしれませんが、私自身も、特にレースに出場するときなどはこのテクニック?を必ず意識しています。目線とライン取りが上手くリンクした時は本当に「ギュッ!」と曲がりますよ。

実際に走る時は、イン側の白線やゼブラゾーンに乗らないように、足元と遠くを交互に確認し目線を送りながら走ります。路面に見えないラインを描く事をイメージすると、あとはそのライン上を走らせていくだけという感じになります。

 

目線で事故を防ぐ ~応用編~

オーバースピードでコーナーに突っ込んでしまった!(><) という事が稀に起こる時が有りますが、こんな時にも"目線"は大きな効果を発揮してくれます。どういう事かというと、最初に言った通り 「乗り物と言うのは自分の目線通りに進んでしまう(操作してしまう)」ので、狙ったコース取りが出来なくとも、目線をしっかりと曲がりたい方向に向け、尚且つ広い視野を確保しながら道幅を有効に使い、ある程度の旋回力を保持しながら修正をする事により、コースアウトなどの事故を回避できる可能性が高まります。逆に言うと「アッ!!」っと思った瞬間にコースの外側に視線が固定されてしまうと、バイクは真っ直ぐにその方向を目指してしまうモノなのです。諦めない事が大事ですよ。

 

目線と言うのは基本中の基本でもありますが、活用の仕方をキチンと理解し、上手く自分のライディングに落とし込む事で大きな効果を発揮します。ジムカーナ競技の方などは90度以上首を曲げて乗ってる方も多々いらっしゃので、youtube 動画など見て参考にされると良いかと思います。ご安全に試してみてくださいね(^^)

 

 

   
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コメント

  1. evo より:

    ありがとうございました、参考になりました(^_^)。

    1. 山口尚之 より:

      こちらこそ、お読み頂き有難うございました(^^)
      他に知りたい事など有ればまたコメント頂けると嬉しいです
      どうぞ宜しくお願いします(^^)

  2. MTC より:

    目線のお話、大変参考になりました。
    具体的に教えて頂きたいのですが、1~2コーナーです。
    1コーナーに向かってブレーキング時には倒しこみのアクションを開始する路面のブレーキ痕を見て、近づいてきたら、1コーナークリッピングを見て、さてその後ですが、どこを見ればよいでしょう?
    明確な目印が見つけられないまま、漠然と加速して結果2コーナーの入り口で窮屈になってしまいます。
    クリッピングから加速しながら2コーナー入り口?2コーナーアウトのポスト?
    新路面と旧路面の切り替わり場所?路面の油痕?
    山口さんなりのレファレンスポイントを参考にさせて頂ければ幸いです。
    よろしくお願い致します。

    1. 山口尚之 より:

      遅くなり申し訳ありませんでした。

      SPAの1~2コーナーは少し特殊で、例えばスクール時にはアウト側にパイロンが置いてあり、そこを見たり目がけて走る方がいらっしゃいますが、そうするとバイクが外方向を向く、走っていくので良くありません。
      皆さんには、2コーナーの倒し込みポイント付近(又はそれよりイン側)を見ながら、結果的にアクセルを開けてアウトにはらむように指導しています。
      当然アウト側に近付く際はコースアウトしない様に行きたい場所とアウト側両方に視線を移しながら走る必要があります。
      大事なのは、コース上(路面)に自分だけに見えるラインを描く事です。
      このラインがイメージできていれば目印を迷うことも無いと思います。
      路面やコースにポイント的に目印を付けるのは賛成ですが、結局走る時は1本のラインになりますので、このラインを正確に憶える事はライディングを楽にしてくれますので、是非この「自分だけに見えるライン」を作ってみて下さい

  3. MTC より:

    ありがとうございました。
    ポイントを結んだ結果がラインになると理解していましたので、逆だったのですね。
    バイクの操作開始あるいは終了の視覚的合図として設けるポイントとは分けて考える必要があるという理解で良いでしょうか?

    1. 山口尚之 より:

      解釈の違いが有るので説明が難しい所ではありますが、複数の細かい点(ポイント)を結んだのがラインだとご理解頂ければと思います。
      きっかけを大きいポイントとして認識し、次のポイントまで細かく設定したポイントを1本の通り道として結んだのがラインです。
      複合的に考えると良いと思います。
      ラインはあくまでもタイヤの通り道ですので、操作の視覚的合図とするのは正確には間違いと言えます。
      なぜなら、アクションのスタートから実際のバイクの動きに反映するまでにどうしてもタイムラグが有るからです。(ここが解釈の違いのポイントです)
      勿論バイクの動きまでを感覚的に判断した上でポイントを設定してあると思いますが、それだと自身の「その日の感覚」に頼ってしまう為、タイヤの状態、自身の状態、コースコンディションによってブレが出ますので正確性に欠けてしまいます。
      サーキット走行をした時にタイムに大幅な差が出て、尚且つその原因がわからない、と言う方はだいたい感覚頼りで走ってる事が多いです。

      1. MTC より:

        ありがとうございます。
        ラインとなるポイントと操作の合図となるポイントを分けて、次回走行から細かい点を探しながら自分だけのラインを作ってみます。

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