バイクのタイヤの皮むきについて【皮むきよりも大事なのは〇〇だった!】

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先日の走行会で参加者の方からこんな事を聞かれました。

「今日は新品タイヤなのでタイムアップを狙いたいのですが、タイヤの皮むきって100km位やった方が良いんでしょ?」

100km???    😯 

人からそうアドバイスを受けたとの事ですが、それだとSPA直入を60周以上しなければなりません。

さて、ニュータイヤの皮むきはどれくらいやれば大丈夫なのでしょうか?

新品タイヤの皮むきの「皮」とはなんぞや

新品タイヤは表面が艶々していますね。これはタイヤの成型時に、型から外しやすくするための離型剤という物が表面に付着しているからだそうです(離型剤を使用していないメーカーもあるそうです)。また、型の表面の素材感がそのまま残っているはずですのでそれも艶々しているように見える要因の一つだと考えられます。一般的にこのツヤ感の事を「皮」と認識されているようですね。しかしこれは製造工程において必要な事ですので仕方がないのですが、確かにコンパウンドの上に異物(薬品?)がある以上、本来のグリップ力を発揮できる状態とは考え難いですし、細かい専門的な話以上にタイヤの見た目が艶々だと精神的に不安を煽るのは間違いないですよね。

 

皮むきに必要な距離は?

スクールをやっていると年間数セットは新品のタイヤを履きますが、新品だからと言って石油系溶剤や洗剤で表面を洗い流したり、ヤスリを掛けたりすることはありません。勿論サーキットはアスファルトの材質自体が違いますので一般公道に照らし合わせるときは少し余裕を持って頂きたいのですが、「皮むき」という工程を意識するのは、全長1.4km程のSPA直入で1~2周もやれば十分というイメージです。これはあくまでも私の場合で、しかもハイグリップタイヤでの事ですので、人やタイヤの種類によって多少前後する事はあるかと思います。

ハッキリと「〇〇km」という答えが欲しい!という方へ

正直いいまして、距離数で計画を立てる事には意味がないかと思います。なぜなら、直線ばかりの10kmと、カーブばかりの10kmでは、サイドの"皮むき"に大きな差が出ますからね。皮むきの肝心要はサイドですよね。ではどうやったら良いのでしょうか?

 

必要なのは「皮むき」ではなくタイヤに熱を入れる事だった

実は、ほとんどのレーサーは皮むきを意識していません。「1周ゴロっと転がせばいいんじゃない?」位の感覚の人もいます。中にはラベルを付けたままスタートしてしまう人もいる位です(流石にこれはお勧めしませんが)。タイヤメーカーの人に聞いても「今どきのタイヤは特に皮むきを必要とはしない」という答えが返ってきます。

それよりも、重要な事はタイヤがしっかりと温まっているかどうかなのです。

私自身も最初の数周は意識こそしますが、これはほとんど「精神衛生上の問題」といいますか、昔からのクセの様なものが残っているからで、実際に走る時は「皮むき」ではなく、「熱」を入れる事に集中し、グリップ感と相談しながらバンク角を増やしていきます。夏場でしかもタイヤウォーマーでしっかりとタイヤに熱を入れている場合などは、コースインして一つ目のコーナーで膝を擦れるほどグリップ力は最初からあるのです。

 

タイヤが滑って危ない目にあうのはなぜか?

実際に新車を買ったばかりで、「バイク屋さんを出た瞬間に転んだ」というケースは良くありますし、サーキットでも同じような状況はよく見かけます。かく言う私も若かりし頃コースイン最初のコーナーで転んで走行時間を丸々パーにしたことが有りますし、もっと言うとパドックでハイサイド転倒した経験も有ります(←バカ。。。。。)

ではなぜこういう事が起こるかと言うと、

  1. タイヤが温まっていない
  2. タイヤを過信している
  3. 長期間放置していたタイヤで表面が固くなっている
  4. 中古で買った場合など、見た目を良くするためにワックスが塗られていた
  5. 路面に何かしらの滑る要因が有った(白線など)

と言ったことが原因だと考えられます。

今回のテーマ(新品タイヤの皮むき)と現代のタイヤ事情に照らし合わせると、ほとんどの原因は 1や2と考えられます。なので、私がサーキットで1~2周は意識すると書きましたが、実際にはその日の気温と路面温度を考えながら、夏場は1~2周、冬場はタイヤが温まるまで何周も掛けて慣らし運転を行います。

実感として、冬場などはタイヤが温まるまではメチャメチャ滑ります。特にハイグリップタイヤなど熱とグリップ力の関係性が強いタイヤは、「路面が凍ってるんじゃないか??」と思う程滑る時が有ります。ホント怖いです。

市販車に最初から履かせてあるタイヤはそこまで無いと思いますが、タイヤに全く熱が入っていない状態でバイク屋さんを出発し、道路に合流する際、大きめにバンクしたままアクセルを「クイッ」と開けてしまえば、それは転倒してもおかしくないと言えるでしょう。初めて乗って緊張するのはわかりますが、ここは慎重な運転を心掛けるほかないですよね(^^;)

 

タイヤの皮むき?(というか温め方)のやりかたについて

タイヤは路面との摩擦熱により温まっていきます。

直立状態であれば

  • フロントタイヤ : ブレーキを掛ける事で摩擦熱を与えてやる
  • リヤタイヤ : 加速して摩擦熱を与えてやる

いずれにせよ、スピードは徐々に上げて行ってください。最初から高いスピードでやると、直立状態でもフロントタイヤは滑りますし、いきなりアクセルを大きく開けるとホイルスピンします。徐々に、徐々にです。特に冬場は何回も行いグリップ感を感じれるまでやった方が良いですね。

コーナーでは

  • ブレーキを強く引きずらない
  • 急にバンクさせない
  • ハンドルに強く力を掛けない
  • アクセルをラフに操作しない
  • スピードを出さない

冬場のツーリングなどは最初から最後まで十分に注意する必要があります。普通に公道を走る時はほとんどの道が長い直線とカーブ(又は交差点)で形成されていますので、サイド部分が少し温まっても又すぐに冷えてしまいます。真ん中部分は走っていればある程度温度はキープできますので、久しぶりにブレーキを掛けてもある程度グリップしてくれますが、怖いのはその感覚のままコーナーを曲がろうとしてしまう事です。これは技術と言うよりも心構えが大切です。

もちろんバイクに荷重を掛けてあげるなどの技術面も大事です。しかし、本当に大切なのは「常にグリップ感を意識する」という事です。特に冬場のコーナーではタイヤを過信せず探りながらバンクさせましょう。

どうしても気になる方は、タイヤの空気圧をメーカー指定よりも落としてみてください。重量にもよりますが高速道路を走行しなければ前後2.0kPa前後でも大丈夫だと思います。タイヤが潰れやすくなることで接地面積が増えたり温まりやすくなったりします。(走行条件によって空気圧は適切にマメに調整しましょう)

 

タイヤの皮むき(というかタイヤの温め)まとめ

冒頭に書きました走行会は最高気温が30℃をゆうに超える真夏日に開催されたのですが、それでもフリー走行(先導解除)1~2周目に転倒する車両がありました。しかも複数台数です。その原因をハッキリとタイヤに熱が入っていないからとは断言できませんが、話を聞く限り恐らくそうではないかと憶測出来るパターンが多かったです。

前項で冬場の事を書きましたが、タイヤのグリップに関しては季節など関係ありません。しっかりとタイヤが温まっていなければ本来のグリップ力は得られないのです。

バイクは事前予測が大切な乗り物です。

あなたを笑顔で待ってくれている家族の為にも、常に安全運転を心掛けてくださいね 😀 

 

   

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コメント

  1. 弓道兄弟 より:

    私はタイヤ交換時に、パーツクリーナーを雑巾に吹き掛けて、サラッと一周拭いてます。
    ただの儀式です。
    おまじないです。

    真冬の夜、家から出て即転けしたことが2回有ります。
    どちらもTSUTAYAにDVDを返却に行くときでした。

    偶然2回とも同じ格好でした。
    グレーのライディングジャケットとお気に入りのジーンズ。
    転けて以来、家族は
    「その服を着てバンクに乗らないでくれ。TSUTAYAには車で行ってくれ」と言います。

    転けた原因は、TSUTAYAでもお気に入りのジーパンでもなく、タイヤの温度だと分かっているのですが、
    「分かってるならやれよ」
    「練習大好きなのに、普通に運転してて転ぶって何?」
    と言われて更に傷つくのも分かってますので争うことはしてません。TSUTAYAには車で行ってます。当然ライディングジャケットは着てません。

    転ぶ度に人間として一皮むけていく気がしてます。

    1. 山口尚之 より:

      弓道兄弟さん、お返事が遅くなり申し訳ありません。
      先日はお疲れ様でした。このブログをマメに見て頂いてる事、コメントを下さる事、正体を明かして頂けたこと、改めまして心より感謝申し上げます。

      タイヤと共に人間としても一皮むけるという、全米が泣いてしまいそうな感動の超大作にも匹敵するほどの秀逸な経験とこの表現力!!ライディングや各種競技の実力者であるだけでなく、各方面にそのセンスをいかんなく発揮され本当に頭が下がるばかりです。

      これからも共に安全にライディングを楽しみましょう!今後とも宜しくお願い致します(^^)

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